ホンダ・フリードは2016年にモデル2代目(GB5/6/7/8型)が発売され、8年目を迎えた今年はフルモデルチェンジの噂が盛んに取り上げられてきました。そして5月9日、遂にティザーサイトが公開、一新された外観とホンダの先進のハイブリッドシステム“e:HEV”が採用された3代目フリードを目にすることとなりました。
驚きを隠せなかったのが、6月27日の正式発表、翌28日の発売に先駆けて行われた約2ヶ月に渡る先行展示会が、全国を網羅する形で開催されたことでしょう。特に大都市圏での展示会においては、ただクルマを見るためだけにたくさんの方々が行列を作って押し寄せました。
モーターショーでもない単一車種の展示会がこれだけ人を動かした例は個人的にあまり記憶がなく、その高い話題性もあってか、12月5日には2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤーの最高賞を受賞するに至り、“新型フリード現象”をより鮮明に印象付ける結果となりました。
ということで、時代の渦中にでも吸い込まれたというか、衝動的にAIR e:HEVのオーナーになってしまった?私としても、本年が幕を閉じる前に、この新しいスタイルのミニバンついて総括してみようと思います。
e:HEVが創り出した“高級感”
初代フリードFF(ガソリン車)に約6年乗ってきた者が、突然にハイブリッド車を手に入れたとき、真っ先に実感させられたのが“高級感”でした。
ホンダディーラーでクルマを受領後、一旦近くの公園まで走りました。ハイブリッド車はガソリン車と違った独特のペダルワークがあり、特に回生ブレーキに象徴されると聞いていましたが、モーターでスーッと進んでいく走行感、そして揺れがなく、なめらかで静かな走りは“これってもしかして高級車の走り?”とすぐさま感じさせてくれました。
これまで乗ってきた一番高級(お高い)なクルマが初代フリードで、本来の高級車など運転したことがない私がそう感じてしまう、そんな出来栄えのクルマが“新型フリードAIR e:HEV”だったのです。
高級さを感じさせてくれるゆえんは、e:HEVのモータートルクをベースに、さらに剛性の強化もあるかと思います。運転席のドアは初代フリードより重みが感じられ、運転していると、静粛な空間に包みこまれているような感覚を抱きます。
もちろん、もともとラグジュアリーな高級車に乗られていた方からすると違った感想になるかもしれません。しかし多数のモータージャーナリストが新型の特徴として高級感を挙げており、私のような素人においても確かな実感がありました。
フリードの肝“2列目キャプテンシート”の乗車感
コンパクトミニバンというジャンルでしのぎを削るホンダ・フリードとトヨタ・シエンタ。通勤で使えるサイズ感ながらも多人数乗車が可能な2車種の相違点となるのが、2列目キャプテンシートの有無です。
シエンタもフリードと同様、2022年に3代目としてFMCしていますが、それまでのコンセプトを踏襲し、2列目はベンチシートのみとなっています。このシート論争、どちらも一長一短がありますが、2列目キャプテンシートは初代フリードからの象徴というべき装備で、フリードオーナーはこちらのタイプを選ばれる方が多いです。(3列シート車とビジネス仕様車のみに設定。またフリードAIRでは2列目ベンチシートも選択可)。
となると、気になるのが2列目の座り心地です。
チェックポイント①膝前空間
チェックポイント②座席の高さ・目線
チェックポイント③3列目との距離感
まず①ですが、初代フリードとの比較では、驚くほど広くなった印象です。2代目フリードとは同等とのことですが、前席の背もたれに凹面を施したため、その分膝前にゆとりができたとのことです。2列目のシートスライド幅はFFキャプテンシートが一番長く、360mmのロングスライド幅を確保しており、これがキャプテンシート車の人気の理由となっています。
②については、初代と比べてすごく自然な目線に変更されていると感じました。シアターレイアウトという、後ろの席ほど座面を高くするという設計思想の影響で、初代はやや目線が高めな印象でしたが、3代目フリードのシートは比較的、前席の目線と変わらない印象を受けました。2代目との比較は承知しておりませんが、よく聞かれるのが、座面が低いため体育座りになりがちといった声です。その点も新型で少し改善がなされているようで、私個人の感想としては特に気になるものではありません。
③ですが、これも初代との比較となりますが、1列目、2列目、双方に膝前の余裕ができたせいか(初代の1列目は若干窮屈気味で、ここが改善されたのは大きい)3列目にも十分な膝前を作ることができます。2列目を最大限スライドさせると着席は困難ですが、各シートポジションの調整で、初代よりも6名乗車の快適性が格段に向上しています。
ぜひ実車を見てカラーを決めたい
フリードを2代乗り継いで感じたこと、それはフリード(ホンダ車?)のボディカラーは多面的な魅力があるところです。
私は発売翌日にテレビCMでおなじみのフィヨルドミスト・パールという薄いブルー色でオーダーしました。カタログカラー(印刷物)だけだと、実際の発色がつかみにくいので、同じカラーの別の車種をその場で見せていただき、決断しました。その際、比較として、先行展示会で見学したクルマのカラーがなんだったのかを確認しまして、そちらはソニックグレー・パールという色でしたが、後日こちらの色を購入された方のSNS写真を見て驚いたのが、青空のもとではきれいな青を発していた点です。
展示会場は屋根の下でしかも曇天だったため、グレーの印象を強く受けたのですが、こんな鮮やかな青に変貌するとは思いもよらず、ホンダ車の多面性を持つボディカラーは、実車をしっかりチェックして決めるべきと改めて思いました。
振り返れば私の初代フリードはプレミアムブラキッシュ・パールという黒系のカラーでしたが、光に照らされると紫色があわられるという魅力的なカラーでした。
フィヨルドミスト・パールですが、晴天下だと本当に美しい水色を再現し、見方によっては白色にも近く、プレーンでクリーンな新型フリードの世界観にとてもマッチした色だと満足しております。
メカから家電へ〜ホンダコネクトで変わるカーライフ
最後に、新型フリードに乗り変えて変わったクルマに対する印象をお話します。新型フリードには「Honda CONNECT for Gathers +ナビ装着用スペシャルパッケージ」という、つながるクルマを実現するための装備が標準で搭載されています。
車内にインターネットの通信環境が備わり、カーナビがより便利に進化しているのはもちろん、スマホを使ったクルマの遠隔操作、車両情報の管理等が手軽にできるようになりました。特に注目すべきは、エンジンスターターで行っていた暖気がスマホからできるようになったことです。
北海道では冬場の暖気は必須ですので、ここ最近は毎日のように暖房をリモート操作しているのですが、かつてはエンジンスターターの物理ボタンでONOFFしていた操作をタッチパネルで操作できること、普段使っているスマホで操作できることが、自動車がメカという立ち位置から、より生活の傍らにある家電という立ち位置へと変貌を遂げさせた気がします。
さらにガソリン残量確認、給油管理、燃費、車検などのメンテナンス管理など、クルマに乗っていない間でもクルマとつながる時間が増え、ただ人や物を運ぶメカから家電もしくはドライブ端末としてフェーズが大きく変化し、マイカー生活のパラダイムシフトと言ってよいような環境変化を楽しんでいます。
2025年も新型フリードから目が離せない
ということで、今回は2024年7月に新型フリードに乗り変えてみて生じた大きく特徴的な変化を取り上げてみました。
現時点でも新型フリードの人気に生産が追いついていないようで、e:HEV車は納車1年待ちといった話も目にします。ただオーナーとしてそれを裏付ける価値があると思っております。今後もまた、具体的な車両情報や考察を定期的にアップしていきます。新型フリードに興味のある方はぜひチェックして頂ければ幸いです。
またYouTubeでもさまざまな動画レビューを行っておりますので、ぜひチャンネル登録していただけるち嬉しいです。
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