
ハイブリッド車の魅力を問われてまず思い浮かぶのが「燃費の良さ」ですよね。7月に乗り換えた新型フリードe:HEV AIRは、その期待に応えるべく、カタログ値の25.6km/Lをたびたび上回り、初代フリードガソリン車と比べてガソリン代が明らかに節約できました。
しかし、北海道の厳しい冬を迎えると、燃費が大きく落ち込む現象に直面することになります。
今回は、そんな「e:HEVなのになぜ燃費が悪い!?」という実体験と、燃費が落ちる原因・対策について、寒冷地ユーザーの視点からお話しします。
満タン1,000kmも夢じゃない!?e:HEVの驚異的な実燃費

私の使用環境(通勤・買い物メインの市街地走行)では、夏場は平均して23〜25km/L程度を記録。さらに往復100kmほどの郊外走行時は、e:HEVならではの低速域のモータートルクと高速域の直結クラッチが相まって、エアコン使用でも28〜30km/Lをたたき出すこともありました。初代フリード(ガソリン車)時代は、高速道路で18km/L、普段は15〜16km/Lだったので、年間を通しての燃料代の差はかなり大きいです。
ところが…冬になったら、燃費が目に見えて落ちていく

11月後半になると、明らかに燃費が落ち始め、12月〜2月には12〜14km/L位が普通となりました。日によっては10km/Lを危うく割りそうなケースも。「ハイブリッド=燃費がいい」という思い込みがあったので、最初はちょっとショックでした。でも実際には、これは寒冷地ならではのあるある現象のようです。
冬にe:HEVの燃費が落ちる主な原因
暖房のためにエンジンが頻繁にかかる
寒い冬に車内を暖めるためにはエンジンの熱が必要です。クルマの暖房は夏場のエアコンの冷風と異なり、エンジンの排熱を利用して温風を作り出します。ハイブリッド車は通常、モーター主体で静かに走りますが、冬場は暖房のために頻繁にエンジンが始動し、燃費が悪化します。つまり、寒さによって「ハイブリッドらしさ」が失われる瞬間が増えるのです。
シートヒーター非搭載のAIRグレード
私の乗っているAIRグレードFF車には、シートヒーターがついていません(4WD車は標準で装備)。そのため、体を暖めるにはどうしてもエアコン(暖房)に頼るしかない状態。シートヒーター搭載車であれば、短い距離での利用なら暖房なしでも十分に暖まるらしく、少ない電力でピンポイントに体を暖められるので、燃費への影響も少なくできたようです。(4WD車は赤く囲った部分にシートヒーターが装備される)

冬タイヤによる転がり抵抗の増加
スタッドレスタイヤは、夏タイヤに比べて重く、路面との摩擦も大きいため、燃費が悪化しやすいです。また、寒さによってタイヤの空気圧が自然に低下していると、さらに燃費が落ちます。これはハイブリッド車に限らず注意したいポイントですね。
とはいえ、ガソリン車と比べればマシ!
過去に乗っていた初代フリード(ガソリン車)では、冬場は10km/L以下まで落ちることがありました。暖房がエンジンの排熱を利用する点ではガソリン車もハイブリッド車も同じのため、冬場の燃費については致し方ないところがありますね。ただし、ボディ剛性や車内の密閉性が向上しているせいか、保温性は旧型に比べて良くも感じられ、一年を通してみればe:HEV車の燃費性能は悪くないと思います。
冬のe:HEV、過度な期待は禁物。でも悪くはない!

ハイブリッド車であっても、寒冷地の冬は燃費が大きく落ち込むことがあります。でもこれは、決して車の性能が悪いわけではなく、気候や使い方の影響が大きいということ。同じ冬場でも降雪地域を除けば18km/L程度(FF車)の報告も見かけますので、暖かい地域にお住まいの方ほどe:HEVの真価を享受できるものと思います。冬場の燃費を多少でも改善するポイントとしては、出発直後はエアコンをOFFにして、エンジンが暖まってからONにするのが良いようです。
(写真は3月末の燃費)
フリードe:HEVは静かで力強く、燃費も良い。
新型フリードe:HEVは、北海道でもトータル燃費で魅力的なパワートレインといえます。
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